衆議院議員 松島みどりブログ

話題のトピックについて、詳細に触れています。

2021年5月21日以前の記事です。

第193回国会 外務委員会 第11号より(平成29年4月21日)

2017.06.16

松島委員 まず、二〇二五年の大阪万博の誘致活動について御質問申し上げます。

これは、ライバルはパリでありまして、万博発祥の地であり、万博事務局も置かれている、非常に手ごわいライバルでございます。ここで、外務省の出番だと私は考えております。

万博の所管は霞が関の中では経済産業省ということになっておりますが、今回の万博というのは加盟百六十八カ国が一票ずつ投票権を持っております。オリンピックの場合はIOC委員という個人の委員が投票いたしますから、国を一つずつ潰していくということじゃないですが、今度は二カ国外交というものの集積、外務省の力の見せ場だと考える次第でございます。

担当は経済局ということでございますが、経済局は国別に担当しておりません。ですから、ぜひ、外務省の各地域局の国別の担当、そして課長、局長、そしてまた国際協力の局もそれぞれの途上国に対する国別で担当者がいるわけですから、こういった方々が力を合わせて、国別の、今、誰をどういうふうに押さえようか、どこを持ち込んだらいいかという一覧表をつくる、そういうような考えで万全の体制をしいていただきたいと思っております。

私たち国会議員も、超党派の二〇二五年大阪万国博覧会を実現する国会議員連盟、これは自民党の二階幹事長が会長を務めますが、そういう会議を持っており、私たちのその議連に対しても、適時、それぞれの国についての適切な情報を提供する、そういう形で一緒に取り組んでまいりたいと思っております。

どういった国を重点地域にするか、そしてまた、選挙はいつで、どういうふうに活動していくのか、何よりも決意表明という形でよろしくお願いします。

薗浦副大臣 委員御指摘の二〇二五年の大阪万博の誘致でございますけれども、当然、我が省も在外公館を含めて全省でこの誘致に当たってまいりたいと思います。

四月十一日の閣議了解を受けまして、その同じ日に省内にタスクフォースを立ち上げました。私がヘッドでございます。御指摘のいろいろな局、経済局のみならず地域局も含めた形で立ち上げをしております。

また、二十四日には木寺大使が立候補表明文書を提出する予定になっておりまして、在仏大にもこうしたチームを立ち上げました。

選挙は来年の十一月でありまして、一年半余りでございます。御指摘のとおり、百六十八の過半数をとらなければなりません。我々としては、特に、加盟国数が多いアフリカまた中南米、こうした地域からどれだけ票を獲得するかというのが主眼になってこようかと思います。

いずれにしても、御指摘いただきました議員連盟、それから榊原会長を初めとする経団連の皆さんと協力をしながら、オール・ジャパンで戦ってまいりたいと思いますので、先生にもぜひとも御協力を賜りたいと思います。

松島委員 力強くありがとうございました。

選挙というものは勝たなければなりません。とにかく、みんなで力を合わせて、オール・ジャパンで頑張っていきたいと思います。

次に、私は、およそ十年前に外務大臣政務官を務めさせていただきました。その時期に、見える外交、見せる外交という観点で、強い違和感を感じることが二つございました。それについて質問をさせていただきたいと思っています。その後どうなっているかということでございます。

一つは、在外公館、大使館や領事館の車に多く外国製の車が使われている。日の丸の旗を取りつけて、たなびかせて走っていく大使車がベンツであるという例を数多く見まして、これはおかしいんじゃないかと思いました。今でもそういう状況なのか、これを何とか変えなきゃいけないとずっと外務省に申し入れてきたんですが、どういう状況になっているか、教えていただきたいというのが一点です。

もう一つは、私が初めて海外出張したのがボスニア・ヘルツェゴビナという国でございました。そのときに、援助の車の車体に、おなかのところに、こういうようなマーク、ちょっと見にくいでしょうか、赤と青で、何か公募の作品の、ODAマークというらしいんですけれども、地球儀と赤い太陽を二つの手で囲んでいるようなマークがついておりまして、これでは日本ということがわかりにくい。これが日の丸のつもりかもしれないけれども、わかりにくい。

それよりも、やはりストレートに日の丸を表示して、日本からの支援であるということをその国の国民の方々にもわかっていただく。日本人の中には、日本の国民の中には、ODAというのは無駄遣いだと思っている人もいっぱいいます。自分たちの税金をこんなことに使ってと思っている人もいます。せめて、やはり相手の国に理解していただく。

うれしいことに、アジアの国々などでは、日本がつくった橋や道路について、記念切手とか記念貨幣を出して、そういうのを国内で知らしめてくれている国もあります。日本自身がそれを見せなきゃ一体どうするんだということを言ってまいりました。新藤筆頭理事も、同じような観点、見せる外交という点で、いろいろな場でそれをおっしゃっていたことを記憶している次第でございます。

現状、この二点、どのように変化しているか、変化していないのか、教えていただきたいと思います。

薗浦副大臣 先にODAの部分について私から申し上げさせていただきますが、ODA、公的資金を活用して当然やらせていただいているわけでございますので、我が国からの協力であるということを明確にするのは非常に重要である、御指摘のとおりだと思います。

以前は今委員からお示しをいただいたマークというのも使っておりましたけれども、その後、さまざまな御指摘を受けるに当たって、日本の援助であることをより端的に明確に発信する観点から、統一してこうしたマーク、より日の丸とわかる、こういうマークを使わせていただいております。

いずれにしても、引き続き、委員御指摘いただきました顔の見える援助というものになりますように、全力で取り組んでまいりたいと思います。

山崎政府参考人 御質問がございました大使館や総領事館の公用車の購入状況につきまして申し上げさせていただきます。

一般的には、在外公館におきます公用車の購入に関しましては、購入後のメンテナンスや部品供給などを考慮し、各現地の自動車ディーラーから購入することとしておりますけれども、その際に、原則として日本車を選択するように現在はしております。この方針は、委員が外務大臣政務官をされていた平成十九年度に、大使や総領事の公用車について日本車を選定することを推奨する旨の在外公館への指示が出ておりまして、その方針に基づいてやっていることでございます。

現状といたしましては、大使や総領事の公用車は、全世界で二百十八公館にございます。そのうち二百十六公館は日本車でございます。また、全体の公用車では九割が日本車という状態になっております。

松島委員 非常にうれしい答弁をいただきました。やはり日本の車は世界一だと信じております。ぜひ全てが日本の車になるように願っております。

薗浦副大臣からお答えいただきました日の丸に変わったということも、非常にわかりやすい。そして、一生懸命見たんですけれども、たしかフロム・ザ・ピープル・オブ・ジャパンという言葉が書いてあって、日本国民からの支援であるということの言葉、とてもいいなと思っています。以前のを見ておりますと、オフィシャル・ディベロップメント・アシスタンス、政府開発援助、普通の用語にすぎなかった。それに比べて、日本国民からのプレゼントであるというか、この国も頑張ってほしいなという思いでの支援だということをそれぞれの国でわかっていただければと思う次第でございます。

次に、今出ました在外公館、在外で、外で勤務される外交官の方々の処遇というか、そういったことについて申し上げさせていただきたいと思っております。

例えば、アフリカや中南米やいろいろな国々で、マラリアや黄熱病の予防接種をしてから赴任する。何か、ある期間ごとにもう一度接種しなきゃいけないとか、本当に大変な状況で仕事をしておられる方、あるいは家族として一緒に行っておられる方、大勢おられて、敬意を表する次第でございます。そういった方々について、健康管理休暇制度というのがあると伺っております。二百二十の在外公館のうち百三十一公館で健康管理休暇制度があるわけでございます。

ところが、ちょっと驚いたことがございました。健康管理休暇制度で日本へ帰ってくる場合に、日本国を代表する特命全権大使でさえ、エコノミーを使うように、一番安いルートで帰ってくるようにという規定があると伺いました。これは、私はまずいと考えております。例えばアフリカの任地国から日本へ帰るときに、アフリカから大体ヨーロッパのどこかの空港を経由して来る。アフリカからヨーロッパまではせめてビジネスクラスということにしていただきたいという理由が、二つございます。

一つは、実際に空港のラウンジとか飛行機の座席、近いと、その国の要人なりと直接話をする、そういう仕事のチャンスも非常に重要です。

と同時に、健康管理休暇制度というのに、そうした国の非常に非衛生的なエコノミー用のラウンジで、しばしば、途上国というのは、日本と違って、階級の概念とか、そういう階級差というのがある場合があります。ふだんつき合っている先方の国の局長さんたちがビジネスクラスに乗っているのに、日本の大使や日本の大使館員、ODA担当者も全部そう、皆さん含めてですけれども、その方たちが、言っちゃ悪いですけれども、中国からの出稼ぎ労働者が一緒にいるようなところで待っているのでは、それは下手したらステータスにかかわるというか、侮蔑の目で見られかねない。そういう危惧を感じる次第でございます。

これを改めるお考えは、どっちかというと、外務省は改めたいけれども財務省がうるさいのかもしれませんけれども、そこの状況を聞かせていただきたいと思っております。

薗浦副大臣 委員御指摘の健康管理休暇制度でございますけれども、まさに御指摘のとおり、非常に環境が厳しい任地に赴任をしている職員、またはその同伴者が、一定期間の勤務の後に休暇をしていただいて、心身のリフレッシュとか、病気の治療とか、さまざまなものに利用していただく制度であります。

ただ、この制度は、最後に委員が少しおっしゃいましたけれども、外務大臣と財務大臣の協議によって認められている制度でございまして、この協議の結果、現状はエコノミークラスの官費が支給されるということになっているわけでございます。

我々にとって大変ありがたい御示唆をいただきましたので、今後、そうしたことも含めて、支援のあり方というものを考えて、検討していきたいと思います。

松島委員 私、これはいわゆる外務省の職員の応援という意味でなくて、どの役所でも、財務省でも経産省でも国交省でも、在外勤務をするときは外務省職員の身分を持っていくわけですし、これは非常に重要なテーマだと考えております。

もう一つ、その在外公館の職員の方たちについて、親の介護のための特別休暇制度を設けるべきだと私は考えております。五十代の職員、いや、場合によったら四十代の職員からですけれども、親が介護を必要とする状況になるということはしばしばあり得ることでございます。

子供の教育というのはもちろん大切ですけれども、いつごろ何歳になるかわかっているし、任地国によったら日本人学校へ入ったりインターナショナルスクールに入ったりして、そういう形で一緒に行くことも可能です。でも、親がある程度の年齢になって、いつ介護が必要な状況になるか、あるいはいつ認知症になるかというのはわかりません。

私自身も、母親が突然そういう怪しい状況になって、離れたところにひとり暮らししているので、何度も往復して苦労した経験がございます。それでも国内だから何とかなっておりますけれども、外国だとどういうことになるのか。要介護度合いのチェックのための調査員に来てもらうとか、病院での検査につき合うとか、付き添うとか、そういったことはいつ起こるかわからない。

やはりこれは、在外職員については、親の介護のための特別休暇制度、これをぜひ私は提案したいと思いますが、どういうことになっていますでしょうか。

薗浦副大臣 先生御指摘のとおり、介護と仕事の両立というのは政府としても今非常に重要な課題でして、これは国家公務員といえども例外ではないというふうに思っています。

外務人事審議会という大臣の諮問機関がありますが、ここからも、在外公館に赴任するに当たって最大の懸念の一つが日本に残した親族の介護であり、このような物理的、心理的な負担を軽減するための支援を行うことは、職員が任地で後顧の憂いなく能力を発揮し、日本の外交力を強化することにつながるという提言を既にいただいております。

もちろん、国家公務員も介護休暇を取得することはできますが、介護休暇を取得したとしても、在外勤務中であれば、その特殊性によって、それが実質利用できない、頻繁に帰国することができないという面もございますので、先生からきょういただいた御指摘を踏まえて、例えば民間企業で海外に行っていらっしゃる人たちがどういう制度になっているのかということの検討を始めて、そういう支援策を今後検討していきたいと思います。

松島委員 政府の、介護もしながら仕事を続けるという考えにものっとって、民間企業の後追いでなくていいから、まず政府がその姿勢を示して、そしてそれが民間企業に波及していくことを、在外勤務という特殊性から強く考えております。

最後になりますが、中南米外交について伺いたいと思っております。日本の外交の中で、二百十万人の日系人ネットワークを持つ中南米地域、これは非常に重要なところでございます。そして、カリブの諸国、非常に国が多い。

特殊性といたしまして、中南米地域、カリブ地域というのは、中国と国交を結んでいなくて、台湾と外交関係を持っているという国が十一カ国に上って、これは非常に特殊な地域だと思っています。さっきの万博誘致もそうですが、国際的な各種投票や選挙においても非常に重要な意味を持つところです。

ただし、一方で、日本語を知らない四世、五世、六世、そういった人もふえている。新しい時代にどういうふうに取り込んでいくのか。そしてまた、私も政務官のときにパラグアイの方から、パラグアイの人は今一番、日系人の中でも、まだ五十代、六十代ぐらいが日本語を話せる方たちです、それでも子供たちが心配だということで、日本語講師の特別な派遣も求められたことがあります。そういった問題にどういうふうに取り組んでいかれるか。

最後に、一人当たりGDPがやや高いところでもODAの対象にしようということを、二〇一四年夏、総理が当該地域で発表されました。その後、どのように進展しているか、教えてください。

高瀬政府参考人 まず、私の方から、中南米にいらっしゃいます日系人の方との連携について答えさせていただきます。

中南米地域には、現地の人々から信頼を集めていらっしゃる世界最大の日系社会がございまして、日本と中南米各国のかけ橋となっていらっしゃいます。

外務省といたしましては、日系社会を通じて中南米諸国との関係をさらに強化するため、中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会というものを岸田外務大臣のもとに立ち上げたところでございます。有識者からの提言も踏まえまして、日系社会とのさらなる連携強化に向けた今後の施策を検討していきたいと考えております。

具体的には、日系人の方を日本にお招きするさまざまな招聘事業ですとか、日系社会が行っていらっしゃいます事業や行事への参加、支援を通じまして、日本語を知らない若い世代の日系人の方たちも含めまして、各国の日系社会のネットワークを広げるという取り組みを進めていきたいと思っております。また、ジャパン・ハウスの事業等を通じまして、親日派、知日派の裾野の拡大というものも努めてまいりたいと思っております。

日本語の教育につきましては、国際交流基金の専門家ですとか、JICAのボランティアといった形で日本語教師の派遣を実施しております。中南米地域におけます日本語学習意欲の高まりに応えて、今後も日本語の普及に取り組んでまいりたいと思っております。

増島政府参考人 私からは、CARICOM諸国への支援についてお答えさせていただきます。

二〇一四年七月に開催されました第一回日・CARICOM首脳会合におきまして、安倍総理から、CARICOM諸国が抱える小島嶼国特有の脆弱性、これに鑑みまして、一人当たり国民所得とは異なる視点から支援が重要と認識している旨表明したところでございます。

この方針を踏まえまして、平成二十七年度から二十八年度にかけまして、セントクリストファーネービス、バルバドス、バハマ、トリニダードトバゴに対しまして、防災分野において計七件の無償資金協力を供与いたしております。また、防災、エネルギー等の分野におきまして、これら四カ国から計三十一名の研修員を受け入れたところでございます。

こうした我が国のアプローチはCARICOM諸国から高く評価されておりまして、今後とも、相手国の状況を踏まえながら、CARICOMの小島嶼国が抱える脆弱性の克服を通じた持続的発展に寄与すべく、必要な協力を行ってまいりたいというふうに考えております。

松島委員 ありがとうございました。