衆議院議員 松島みどりブログ

話題のトピックについて、詳細に触れています。

2021年5月21日以前の記事です。

妻に有利な相続税制に4月から

2020.03.31

 4月1日施行の改正民法で、相続における妻の権利が強くなる。①残された妻が死ぬまで自宅に住むことができる「配偶者居住権」の創設 ②婚姻期間20年以上の夫婦間で自宅を遺贈または贈与した場合、遺産分割の対象外とするの2点。初当選以来、女性の立場から主張してきたことが、やっと実現した。
 
 夫(または妻)が亡くなった場合、配偶者自身が亡くなるまで、今の住居に住める「配偶者居住権」を新設した。ただし、売る権利はない。
 子供が「お父さんの家を売って現金で遺産を分割してくれ」と言って、母親を家から追い出すようなことを防ぎ、故人の配偶者が余生を送るための家や生活費を確保しやすくする。
 居住権は勝手に売買できないため所有権に比べて評価額が低くなるので、その分、生活費に充てる預貯金の取り分も増える。
 
 例えば、遺産5000万円のうち、自宅の価値が2000万円、預貯金が3000万円で、相続人が妻と子1人の場合。
 相続分は妻と子で1対1(2500万円ずつ)だが、これまでの法律では妻が住み続けるために自宅を相続した場合、預貯金は500万円しか相続できなかった。
 
 これでは生活費不足の不安があるため、「配偶者居住権」を設定し、その価値が1000万円とされた場合には、残りの預貯金での取り分が増え、1500万円相続できるようになった。
 配偶者居住権の価値は、配偶者死亡時の相続人の平均余命なども考慮して決める。配偶者居住権をもつ母が死に、子が土地や建物を引き継いだ時に相続税は課されない。
 
 
 

 
 
 
 また、婚姻期間20年以上の夫婦なら、配偶者に対し、住居を生前贈与または遺言で贈与の意思を示せば、住居が「遺産分割の対象外」となり、その分、配偶者の取り分が増える。
 これまでの制度では、例えば夫が亡くなる前に苦労をかけた妻に自宅をあげると遺言したり、半分を生前贈与で妻の名義にしたとしても、「遺産の先渡し」と見なされて、遺産の取り分に含まれ、それ以外の取り分が減る仕組みだった。
 
 今回の改正により、「夫の意思を推定する規定」を設け、先渡しではないと見なし、その分相続財産から除外するので、結果、妻はより多くの財産を相続できるようになる。