衆議院議員 松島みどりブログ

話題のトピックについて、詳細に触れています。

2021年5月21日以前の記事です。

少年法改正、18歳、19歳は厳罰化

2021.03.10

来年4月から「18歳で成人」となります。それに合わせ、重大な犯罪を起こした18歳、19歳は、20歳以上とほぼ同様に扱うことで厳罰化を図り、起訴後は実名や写真報道を解禁する少年法改正案が今国会に提出されました。
 ただ、「生い立ちを調査し、立ち直りに役立てるため、全事件を家庭裁判所に送致する」少年法の仕組みも残しました。重大な犯罪とは、死刑、無期懲役または1年以上の懲役、禁錮刑にあたる犯罪です。

 現行法では「16歳以上で犯した殺人、傷害致死、強盗致死など」が家裁から検察官に原則送致されていましたが、今回の改正により、18歳、19歳の場合、強盗、強制性交、強制わいせつ致傷、身代金目的略取など多くの犯罪が加わります。

 ただ、18歳、19歳は事件後、すべてが家庭裁判所に送致される仕組みは、これまで通りです。少年法は元来、「未成年者は成長途上で更生可能性が高い」という考えから、検挙後は全件を家裁に送致し、生育環境などを調査し、(1)成人並みに、検察官に逆送し、起訴されれば刑事裁判で裁く(2)少年院に送る(3)保護観察処分とする(保護司の指導を受けながら一般社会で生活する)に分類します。

 少年の凶悪犯罪について厳罰主義の私も、少年法改正の自民党内の議論に参加してきました。党内には当初、「成人」になった以上、18歳、19歳は20歳以上と全く同じ対応とすべきだという考え方も多く、私もそうでした。
 しかし、問題を起こした未成年者たちに長く向き合ってきた保護司の方の話や、少年院の教官らが素晴らしい教育を行っていることなどから、「いったん全員、家庭裁判所に送り、家庭環境など十分に調べてもらうことは妥当だ」という考えに至りました。

 また、これまで検察官に「原則、逆送」の犯罪が「故意の行為で人を死亡させた罪」だけだったのが、強制性交なども含むようになったことで、受け入れることにしました。強制わいせつが「懲役6カ月以上」なので含まれなかったのは残念ですが。

 精神面その他の成長具合、「まだまだ子どもで適切な指導を受ければ、立ち直れるかどうか」は、個人差があると思います。
 私は今回の改正の仕組みを評価する立場から、家裁で生育環境を調査するとともに、重大犯罪の場合は必ず検察に送り、検察の判断で刑事裁判を受けるという規定を
「16歳以上21歳まで」ぐらいに広げてはどうかと考えます。

 一般の刑事裁判でも、弁護側の主張により、育ってきた環境などにより「情状酌量」して刑罰が決められることが多いわけですが、公平に判断する家裁の専門的な調査はこの点でも役立つと思うからです。
 これさえ保証した上で、16歳、17歳も「原則逆送」の犯罪の範囲を広げるべきです。