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2021年5月21日以前の記事です。
2020.05.22
演劇を中心に約40の会社・団体で構成する「緊急事態舞台芸術ネットワーク」の野田秀樹代表及び日本バレエ団連盟の高橋典夫専務理事らとともに22日、河村建夫・文化芸術振興議員連盟会長(自民党・元官房長官)と打ち合わせ。さらに財務省主計局と文化庁の次長に会い、ネットワークの緊急アンケートなどをもとに、舞台芸術の再開が困難な苦境を訴え、財政支援を求めた。
ネットワークには劇団四季、松竹、東宝、ホリプロ、Bunkamura、明治座などの商業系のほか、NODA・MAPや劇団☆新感線など小劇場系も含め、ステージ数・観客動員数の多いところが参加。
演劇界は緊急事態宣言より前、2月末の安倍総理の「イベント自粛要請」と同時に公演を中止したところが多く、5月末までに3000ステージが消失したという。
緊急アンケート(16団体が回答)によると、公演の中止による損失は30億円以上が2団体、10~30億円が3団体、1~5億円が7団体となっている。(ほかは1億円未満)
緊急事態が解除されても「3密」を避けるため、観客を定員の半分以下にせざるをえず、赤字必至となる。公演を中止するか、採算が取れなくても雇用維持のために催行するか、厳しい選択を迫られる。
「年内の興業ができなければ倒産しかない」「来年4月頃には破たんする」など深刻な声が寄せられた。
また、バレエ団やオーケストラ、オペラなどについては「ほとんどが公益財団法人のため、毎年の収支をトントンとせざるをえず、内部留保がほとんどない」「フランス、イギリス、イタリア、ドイツ、ロシアなどでは、国や劇場のある自治体が音楽家やダンサーを雇用し、給与を払っている。バレエ団では若くして引退した後も年金がつく。これを契機に海外への人材流失を招きかねない」という嘆きも寄せられた。