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2021年5月21日以前の記事です。
2019.08.28
TICAD7(第7回アフリカ開発会議)が28日、横浜市で始まり、私もAU(アフリカ連合)議員連盟の一人として参加した。
早朝からマダガスカル(インド洋に浮かぶ島国)のアンジアンツィトゥハイナ外務大臣、ジンバブエのムナンガグワ大統領、ザンビアのマランジ外務大臣及びヤルマ商業貿易産業大臣と会談した。
マダガスカルはアフリカ南東部沖のインド洋に浮かぶ島で、古い時代にインドネシア方面から人が流れ着いたという。大陸と隔絶されているために、バオバブやアイアイ(サルの一種)など個性的な動植物で知られる。
世界で最もたくさん米を食べる国。
私が昨年9月に衆議院環境委員長として秋田県の大潟村を視察したときにも「来週はマダガスカルから視察団が来ます」と聞いた。
外務大臣によると、米の一部はインドなどからの輸入に頼っており、生産性向上によって自給率を高めることが課題だという。
また、同国はバニラ豆の世界最大の生産国であり、私は、日本でもハーゲンダッツにマダガスカルという国名が登場することや、CMにも使われていること、価格の高騰が前日の夕刊1面に載っていたことを伝えた。
私の地元・荒川区の企業、岡本ポンプが小規模な太陽光発電を動力としたモーターポンプを製造しており、かつてマダガスカルにODAで出したことがあることに触れ、「大都市では大規模な電力や水道の供給が必要だが農村では小規模な電力や水道を点在させる方法がいい。電力は携帯電話にも使われている」と話したところ、外務大臣も関心を示し、TICAD7の展示コーナーで同社のブースを訪れる意向を示した。
ジンバブエとザンビアはアフリカ南部の内陸国で、両国の間にはビクトリア瀑布があり、鉱物資源が豊かだという共通点もある。
ジンバブエはかつて長期独裁政権のもとで、天文学的インフレが生じるなど経済が極度に悪化したこともあったが、昨年、民主的な選挙でムナンガグワ大統領が選出された。
私は法務大臣経験者として、来年4月に京都で開かれる国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)について話した。
大統領は自分もかつて16年にわたり司法警察大臣を務めたと話し、「昨年、日本の協力でバイオメトリクス(生体認証)を導入した」と感謝を述べた。
私が「バイオメトリクスは、出入国管理や犯罪捜査に使うのですか」と尋ねたところ、「昨年、初めて国際社会の監視団を受け入れて公明正大な総選挙を行った際に、投票者の登録に役立てた」と答えた。
私は、「不正の無い民主的な選挙」が未経験な段階の国では、このようなバイオメトリクスの使い方もあるのだと驚いた。
ジンバブエは大統領の他、財務大臣、ICT大臣、農業・気候大臣、科学技術大臣など多くの閣僚を伴う訪日団で、大統領をはじめ多くの大臣が、赤・黒 ・白・緑・黄のカラフルなマフラーを身に付けており、国旗にちなんだもので、一年中よくつけるということだった。
ザンビアは1964年の東京オリンピック期間中に独立した国。同オリンピックの開会式には北ローデシアとう国名で登場し、閉会式では「独立したザンビアです」と紹介され、会場から大きな拍手があがった。
その後、アフリカでは珍しく、民主的な政権交代が続いている。
マランジ外務大臣とヤルマ商業貿易産業大臣は共に空手経験者。
外相は「若い頃は空手が好きで、頭の上まで足が上がった。今はゴルフだけだけど」と笑った。
同国の空手はJICAが指導して広め、今は三井物産や、コマツなど日本の進出企業がスポンサーになっているという。
「ザンビアの会社が持っているサッカーのプロチームにナカマチさんという日本人選手がいる」と聞いて、日本側一同驚いた。
「今は、サッカーなどは学校外のクラブでやっているが、学校のカリキュラムに取り入れたい。その方がお金がかからなくて済む」と
外相が述べたので、私は「日本式の学校教育ですね」と答えた。