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2021年5月21日以前の記事です。
2018.05.14
国交省は、大地震などの発生時に備え、荒川に「墨田緊急用船着場」(墨田区墨田5丁目地先、首都高6号線から500m下流)と「臨海緊急用船着場」(江戸川区、河口近く)を完成させ、12日、墨田で合同の竣工式を行った。
私は来賓として「10年前に国交副大臣として災害対策に携わった時から、『地震で道路が寸断される事態に備え、荒川の墨田区部分に早く船着場を作り、平時から訓練を行うことが必要』と主張してきたが、やっと出来上がり、感無量です。地震の時に支援物資を運ぶ船などは政府が用意しますが、けが人やここまで歩いてこられる人工透析が必要な方などを病院に運ぶ船は区が用意しなくてはなりません。ぜひ墨田区で遊覧船などと災害時に向けた契約を進めて欲しいです」と挨拶した。
墨田船着場は最大500トン級の船が着岸できる63mの岸壁と自衛隊仕様の水陸両用車が上陸、水入できるスロープを持つ。
岸壁は、荒川の潮位の変動(干潮と満潮で2mの差)に対応できるよう、高さを3段階に設定してある。国が管理する施設で、災害時には壊れた堤防などの復旧に必要なコンクリートなど資機材や救援物資の積み下しを行う。
私が副大臣だった2008年に、川崎市の「東扇島地区」と江東区の「有明の丘地区」に「東京湾臨海部・基幹的広域防災拠点」が完成し、両方の竣工式に主催者代表として出席した経験を持つ。
その際に、首都直下地震が襲ってきた場合、東扇島では全国から送られた物資を各地域に向け、仕分ける。そこから小型の船で、荒川や多摩川などの河口まで運び、川を上って各船着場に積み荷を降ろし、避難所などに輸送すると知った。
なお、今回完成した臨海船着場は、3000t級の大型船が着岸でき、積み替え基地となる。
2016年秋の首都直下地震防災訓練(国交省主催)では、墨田より下流の小松川緊急船着場(江戸川区)で、船から救援物資を積み下ろす訓練が行われた。
近いうちに、墨田船着場もそうした大規模訓練の舞台となるだろう。
なお、「有明の丘」は広大なヘリポートを持ち、また、近くに病院があることから、重症患者受け入れの役割も担う。
式典には、議員や行政のほか、私が荒川下流河川事務所に頼んで、墨田区内の隣接地域(墨田・八広・東向島・立花)の22町会の代表もお招きした。身近な方々にこそ、この緊急船着場の意味を知っていただきたい。