話題のトピックについて、詳細に触れています。
2021年5月21日以前の記事です。
2018.08.22
日本・中国・韓国の小学校4年生から6年生の100人(主催国の日本は34人、中韓は33人ずつ)が一週間にわたり、東京と山形で合宿し10人ずつのグループで絵本を創作したりするイベントが、18日から始まった。
私も同日、代々木のオリンピックセンターで行われた開会式に出席し「日本・中国・韓国の昔話集」を児童代表に手渡した。
また、日中韓それぞれの羽衣伝説にまつわる絵本を各国代表が通訳付きで読み聞かせるプログラムを傍聴したり、10年前の参加者たちによる「OBワークショップ」に参加している青年たちに話を聞いたりした。
今回で15回目。三ヵ国が順番に年1回開催する。日中韓三ヵ国の子どもが混じった10人のグループごとに複数の通訳が付く。
超党派の「子どもの未来を考える議員連盟」(河村建夫会長)と文科省系の独立行政法人「国立青少年教育振興機構」(鈴木みゆき理事長)が共同で始めたという珍しい事業だ。
日本からの参加者は、読書感想文や絵画のコンクールの入賞者や読書活動に熱心な学校の児童などが全国各地から選ばれている。
読み聞かせに使った絵本は、七夕伝説などにもなっている、天女が、羽衣を奪った地上の男と結婚し子どもも授かるが、天女が羽衣を見つけ、子どもを連れて天へ帰ってしまうというストーリーで、三ヵ国ともかなり似通っている。
それぞれの国の児童代表が読み上げたのち(韓国は、複数の子どもたちが登場して、身振り手振りで役を演じ、拍手喝采だった)、各グループで三つの話の共通点や相違点について話し合い、グループ代表が発表した。
このあと一行は、「泣いた赤鬼」などの絵本作家、浜田広介の故郷、山形県へ移動した。天童市では、「花笠踊り」や紅花、舟下りなどを楽しむ。将棋の駒で知られる天童市ということもあって谷川浩司九段の講演もある。
「卒業生」たちはそれぞれに交流をもち、10年後にはOB有志などでこのイベントに参加する。
慶応義塾大学工学部4年の男子からは、OBの大学生たちがクラウドファンディングで渡航費を集め、出資者には毎年の報告書を送っていることや、ソウルの「同窓生」の自宅に泊めてもらって一緒に旅行したことなどを聞いた。
中国の大学4年女子は「来年、北海道大学の大学院に入りメディア論を学ぶ」と話してくれた。また、10年以上前に中国から参加者には、日本の大学を卒業し、今春、日本の会社に就職したという男性もいて、手伝いに来ていた。
日本と中国や韓国の間には時々、政治問題が起きるが、小学生の時にこうした友情を育むのは、三ヵ国の将来にとって、非常に有意義だ。
大の本好きで、文学少女だった私は、自分が子どもの時に、こんな催しがあり、参加できていたらどんなによかっただろうと思う。もっとも、当時は日中国交回復の前だったが。