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2021年5月21日以前の記事です。
2016.09.17
ミャンマーで先進国並みなのは携帯電話。
全国平均で携帯電話(それもほとんどスマホ)の普及率(全国平均)は80パーセント超と高い。2年前は10パーセント未満だったが、外資への開放など規制緩和によりSIMカードが10万円→150円と大幅に値下がりし、一挙に普及が進んだ。有線電話の時代をすっ飛ばしており、経済協力による通信網整備はインターネットのための光ファイバー網だ。
産業の最大のネックは電力不足。全国平均で電化率は3割と低く、ヤンゴンでも、しばしば停電する。発電量不足に加え、送電、変電システムに問題が多く、日本が有償協力を進めている。非電化の地方では民家がソーラー装置を取り付け、携帯電話の充電を最優先しているケースもある。
銀行の信頼度は低く、支店もまだ多くないため銀行口座を持つ国民は9パーセントに過ぎない。給与は手渡しが一般的だが、銀行振り込みの日系企業によると、給料日の午後は従業員が一斉に、全額おろしに銀行に駆けつけるため、仕事にならないという。一方、スマホ端末を使って、遠隔地の親類などに金利付きで貸したカネを月々、スマホショップ経由で回収するビジネスも始まっている。そこで全国に支店を張り巡らせるよりは、モバイルバンクを進めた方が早いとの見方も出ている。
外国銀行9行に営業認可(一般国民向けではない)が下り、
日本のメガバンク3行が入った。
麻生副総理兼財務相が安倍首相の親書を手渡した「オールジャパン」体制の成果である。
日本・ミャンマーの合弁会社(実務の主導権は日本)が、ヤンゴン中心部から車で約1時間の所に開発中の「ティラワ経済特区」(工業団地)は昨年9月に開業。今年7月から造成中の第二期分譲分と合わせて78社が契約済み(93パーセントの用地)で、すでにワコールなど13社が稼働している。
1999年日本企業として初めてミャンマーに工場進出したスズキも、ここに移転する。ティラワには各社に貸し出す共同社宅も建設され、スズキでも現地従業員の転勤のために、社宅の利用も検討中という。
工業団地の周囲には発電所や変電所、配電線、港湾、水道、橋梁などインフラを日本の経済協力で整備。発電所への天然ガス供給(割り当て)をミャンマー政府に約束させている。途上国で工業団地を成功させるには、こうしたインフラ整備にODAを活用する官民合同方式でないと無理である。造成開始前まで、農作業用の牛や水牛が多数のそのそと歩いていた土地だったのだから。
ただ、工業団地への入居は他国にも門戸を開放しており、契約企業の半分が日本以外の企業でタイ、インド、ベトナム、台湾、スウェーデンなど16ヶ国にわたっている。
ティラワ経済特区の事務棟に進出企業のワンストップサービスセンターがあり、これには感心した。
事業立ち上げ時の会社登記、環境申請(環境評価基準がある!)、建築申請、さらに事業実施後のビザ発行、通関、税務申告などを一カ所で取り扱っている。もちろん、外国企業が日本国内で事業を行う時はこんな便利なサービスはないのだから。