話題のトピックについて、詳細に触れています。
2021年5月21日以前の記事です。
2015.12.30
29日30日の二晩、荒川区と墨田区で歳末警戒に当たる消防団分団の詰め所を回った。29日に行った荒川区は荒川消防団が8分団、尾久消防団が6分団、30日の墨田区は本所消防団が8分団、向島消防団が9分団ある。各分団はだいたい30人前後。「1年間お疲れ様でした。来年も町の安全安心をよろしくお願いします」と声をかけて回った。
民間ボランティアである消防団員の活動は、火災消火のほか、お祭りや節分の豆まき、盆踊りなど地域行事の警戒。大晦日の夜中から元旦にかけて神社の初参り警戒にも当たる。
大地震や水害に備えての訓練も重ねている。ルールに基づき消火のスピードを競う分団対抗の団体戦を行う操法大会も毎年開かれる。一般の人が遊んでいる時に制服姿で出動するのだから大変である。
若手団員の確保は各分団の悩み、課題である。20代の3人と話すことができた。
地元出身の大学三年女子は今年春に1人で飛び込み、その分団の唯一の女性となった。(荒川区墨田区の消防団は女性団員が二割ほどと全国的にみても相当高く、女性分団長もすでに誕生。分団の中には女性が三割近いところもあるのだが、この分団は例外的に不在だった)。東京消防庁は大学生団員の就職活動に当たっては推薦状を書く制度があると分団幹部らが教えていた。
26歳男子は大分県の高校卒業後、墨田区内の製造業に就職、会社の独身寮に住んでいる。最初は会社から勧められて入団したが、今ではすっかり父親のような年齢の分団先輩たちにも馴染んでいる。
23歳男子はアルバイトをしながら消防士を目指しており、来年5月に受験するという。消防団員が東京消防庁を受験する場合、各消防署からの推薦制度があると、この分団幹部から聞いた。消火現場の厳しさをよくわかっていて職業に選択したいという意欲を買うとともに、いろんな年代の団員先輩や消防署員が適性や人間性を評価するという意味で推薦制度があるのだろう。