衆議院議員 松島みどりブログ

話題のトピックについて、詳細に触れています。

2021年5月21日以前の記事です。

無電柱化推進法案、衆議院を通過

2016.12.07

私は「電柱をなくす」ことを、前回選挙で公約の第一に掲げたが、念願の「無電柱化推進法案」(議員立法)が6日、衆議院を通過した。

木造住宅密集地の多い私の地元では、電柱の存在は地震の際に命にかかわる。

副会長を務める超党派の「無電柱化法案早期成立促進議員連盟」設立総会(11月9日)でも、私は真っ先に手を挙げ、発言した。

「東京の中心部(墨田区、荒川区を含む)では、国道はここ2、3年以内に電柱がなくなる。都道も、都市計画に基づいて道路を拡幅済みの所はすべて無電柱化することになっている。

問題は狭い区道なんです。細い電柱が斜めに立っていて、道路上の空間で、電線が垂れ下がり気味になっている。軽自動車に看板付けた小さい宣伝カーでも、ぶつかりそうなくらい。

もし、首都直下地震に襲われ、電柱が次々に倒壊し、家をなぎ倒す。電線は絡まってショートする。火災は広がるし、圧死、焼死する人が増えてしまう。消防車や救急車はまったく通れなくなる。国や都道府県がしっかり補助して区市町村の電柱化を進めるべきだ」と。東京都消防庁が制作した防災ビデオは都内有数の木造密集住宅地である墨田区京島を舞台に描かれているが、それにも、こういう恐ろしいシーンが出てくる。それを話すと、会場からため息がもれた。

 

私の発言後しばらくして、予想外の小池都知事が現れた。「議員会館に来るのは4ヶ月ぶり」と言いながら。

小池さんは自民党だけの無電柱化議連時代に会長だった。この日は「まず防災の観点で」「区市町村道が取り残されている」と。まさに、私の主張と同じで、うれしくなった。

かつて議連に誘ってくれた時は「みどりさん、東京は電柱だらけで、外国のすっきりした都市景観に比べて、恥ずかしいと思わない?」と話していたので、賛成ながらも、地震に弱い下町の私には少し違和感があったのだが、知事になられて「わかってくれた!」という感じだ。

現在、全国に約3500万本の電柱があり、毎年7万本増えている。

ちなみに、外国の主要都市と比較すると、ロンドン、パリ、香港は電柱ゼロ。(つまり無電柱化率100%)台北は無電柱化率が95%、シンガポール93%、ソウル46%、ジャカルタ35%と比較しても、東京23区の7%、大阪市の5%は恥ずかしい。

地中に埋める場合、国、都、区など道路管理者が電線共同溝を掘る費用を、東電やNTTなどが電線管理者が地上機器(トランスなど)や電線の費用を負担する。自治体の費用負担のうち55パーセントは国が交付金を出す。

空中の電線に比べて、電線管理者の出費も6倍から9倍に膨らむ。また、歩道が狭かったり、歩道のない道路だと地上機器の置き場所に苦労するという。

国交省は、「電線等の埋設物に関する設置基準」を今年4月に見直し、それまでは、車道の場合、路面から80㎝掘り下げなければ電線を埋めることができなかったのを、菅の大きさにより60㎝や35㎝ですむようにしたり、歩道なら40cmから15㎝に基準を緩和したりして、電線埋設にかかる費用が少なくてすむようにした。

このような努力を一層促すため、推進法案の概要は次のようになっている。

国、都道府県、市(東京の特別区を含む)町村は無電柱化推進計画を定めなければならない。道路整備、市街地開発などの事業が実施される場合には電柱、電線を新たに設置しないとともに電柱・電線を撤去する。国、地方公共団体、関係事業者は迅速な推進と、費用の縮減を図るための調査研究、技術開発の推進と成果の普及に必要な措置を講じる、政府は必要な法制上、財政上または税制上の措置を講じなければならない、など。